ジルサンダーとマルジェラ、どっちがオシャレ？徹底比較で本音解説

ミニマルで洗練されたジルサンダーと、独創的でアバンギャルドなメゾンマルジェラ。ファッション好きなら誰もが一度は「ジル サンダーとマルジェラ、どっちが良いのだろう？」と考えたことがあるのではないでしょうか。雰囲気が似てるブランドとして比較されがちですが、その背景やコンセプトは大きく異なります。

マルジェラは高級ブランド？という疑問や、それぞれの年齢層、どんな好きな人が多いのかという評判。また、最近の人気の火付け役となったマルジェラ 財布やジルサンダー 財布といった小物類。一方で、流行りのロゴドンは少しダサいと感じる方や、そもそも片方のブランドにはバッグのイメージがないと感じている方もいるかもしれません。

この記事では、両ブランドの根本的な違いから、具体的なアイテム選びのポイントまで、あなたの疑問を解消します。

結局ジル サンダー マルジェラ どっちがオシャレ？

そもそもマルジェラは高級ブランド？

結論から言うと、メゾン マルジェラは間違いなく世界的な高級ブランド（ハイブランド）です。Tシャツ1枚が数万円、アイコンバッグやブーツは20万円を超える価格帯であり、その品質とデザイン性、ブランド価値は疑う余地もありません。

ただ、一部で「高級ブランドではないのでは？」という声が聞かれる背景には、過去のコラボレーションが影響している可能性があります。例えば、マルジェラはかつてファストファッションブランドのH&Mとコラボレーションした経緯があります。これによってブランドの格式が下がったと感じる人もいるかもしれません。

しかし、本来マルジェラは、ファッション界の既成概念を壊す「脱構築」や「アンチモード」を掲げてきたブランドです。創業者のマルタン・マルジェラは、あえて古着を再構築したり、匿名性を貫くためにブランドタグを表に出さなかったり（4本の白いステッチがその象徴です）と、常に挑戦的な姿勢を貫いてきました。

豆知識：コラボは格を下げるわけではない

ちなみに、ジルサンダーもユニクロと「+J」で大々的にコラボレーションしています。現代において、有力ブランドとのコラボレーションは、ブランドの格を下げるというより、新たな顧客層へアプローチするための戦略的な一手と捉えるのが一般的です。

このように考えると、マルジェラは単に高価なだけでなく、その深い哲学と歴史に裏打ちされた、非常に影響力の強い高級ブランドであると言えるでしょう。

愛用者の年齢層に違いはあるのか

ジルサンダーとメゾン マルジェラでは、愛用者の中心となる年齢層に少し違いが見られます。もちろん、どちらも幅広い世代に愛されていますが、大まかな傾向として把握しておくとブランド選びの参考になります。

ジルサンダーの主な年齢層

ジルサンダーは、30代から50代の大人の男女が中心的なターゲット層です。その理由は、ブランドが持つミニマルで洗練されたデザインと、カシミヤや上質なレザーといった高品質な素材感にあります。流行に左右されないタイムレスなデザインは、成熟したファッション観を持つ人々に高く評価されています。特に、ビジネスシーンやフォーマルな場にも対応できる品格があり、経済的に余裕のある層から支持を集めています。

メゾン マルジェラの主な年齢層

一方、メゾン マルジェラは、20代から40代を中心に、より若い世代にも人気が浸透しています。アイコンの「タビブーツ」やカレンダータグをあしらった財布、グラムスラムバッグなどは、SNSでも頻繁に見かける人気アイテムです。独創的で少しエッジの効いたデザインが、自己表現を重視する若い世代の心を掴んでいます。もちろん、昔からのマルジェラファンである40代以上のファッション上級者も多く、世代を超えて熱狂的な支持者がいるのが特徴です。

年齢層の違いまとめ

それぞれどんな好きな人が多い？

両ブランドのファン層、つまり「好きな人」のタイプを比較すると、それぞれのブランド哲学が色濃く反映されていることがわかります。あなたはどちらのタイプに近いでしょうか。

言ってしまえば、「静かに上質を語りたい人」がジルサンダーを選び、「静かに個性を語りたい人」がマルジェラを選ぶ傾向にあります。

ジルサンダーが好きな人の特徴

ジルサンダーを好む人は、「ミニマリズム」を信条とする傾向があります。多くの言葉で語るのではなく、本質的な部分を大切にするタイプです。

このような人々にとって、ジルサンダーのアイテムは自分のスタイルを格上げしてくれる、信頼できるパートナーのような存在です。

メゾン マルジェラが好きな人の特徴

一方、マルジェラを愛用する人は、ファッションに物語や哲学を求める傾向にあります。単なる衣服としてではなく、アートピースや自己表現のツールとしてアイテムを捉えています。

彼らにとってマルジェラは、自分の内面的なこだわりやクリエイティビティを代弁してくれる、特別なブランドなのです。

最近の人気はどちらに軍配が上がる？

「最近の人気」という点では、両ブランドともに非常に高いレベルで人気を博しており、甲乙つけがたいのが正直なところです。ただし、人気の「質」や「広がり方」には違いが見られます。

メゾン マルジェラは、現在のクリエイティブ・ディレクターであるジョン・ガリアーノ氏が就任してから、特にバッグや財布、香水といったキャッチーなアイテムの人気が爆発しました。「5AC」や「グラムスラム」といったアイコニックなバッグの登場により、これまでマルジェラを知らなかった若い世代や、モードファッションに馴染みのなかった層にも広く浸透しました。SNSでの露出も非常に多く、一種の社会現象的な人気と言えるかもしれません。

一方でジルサンダーは、ルーシー＆ルーク・メイヤー夫妻がデザイナーに就任してから、ブランド本来のクリーンな魅力が再評価されています。特にユニクロとの「+J」コラボレーションは、ジル・サンダー氏本人のデザインではありますが、ブランド自体の知名度を飛躍的に向上させました。これにより、「タングルバッグ」などのアイコンアイテムが、より多くの人々に知られるようになりました。マルジェラのような爆発力というよりは、じわじわと、しかし確実にファン層を拡大している印象です。

人気の注意点

人気が高まるということは、街で同じアイテムを持っている人に出会う確率も高くなるということです。特にマルジェラの定番財布やバッグは、所有者が非常に多いのが現状です。個性を求めて選んだはずが、逆に没個性になってしまう可能性も考慮する必要があるでしょう。

結論として、話題性やトレンド感といった短期的な人気ではマルジェラがややリードしているように見えますが、タイムレスなブランドとしての価値や、本質的なファッション好きからの支持という点ではジルサンダーも全く引けを取っていません。

似てるブランドは他にもあるのか

「ジルサンダーやマルジェラは好きだけど、他の選択肢も知りたい」と感じる方は少なくないでしょう。ミニマル、クリーン、構築的といったキーワードで、この2つのブランドと並べて語られることが多いブランドがいくつか存在します。

ここでは、代表的な3つのブランドをご紹介します。

ブランド名	特徴	ジルサンダー/マルジェラとの共通点
THE ROW（ザ・ロウ）	オルセン姉妹が手掛けるNYのブランド。究極にミニマルで、最高級の素材を使用。ロゴなどを一切排した「静かなラグジュアリー」の代表格。	ジルサンダーのミニマリズムと高品質志向を、さらにストイックにしたような立ち位置。価格帯はさらに上。
LEMAIRE（ルメール）	元エルメスのデザイナー、クリストフ・ルメールが手掛ける。日常に溶け込む、知的で上品なデザインが特徴。ユニクロUのデザインも担当。	ジルサンダーの持つクリーンさと、マルジェラの持つ構築的な側面を併せ持つ。より実用的で落ち着いた雰囲気。
Acne Studios（アクネ ストゥディオズ）	スウェーデン発。北欧らしいクリーンさと、遊び心のある色使いやデザインが融合。特にデニムやマフラーが人気。	かつてはジルサンダーやマルジェラ好きが次に選ぶブランドとして人気だった。2ブランドより少しカジュアルで、価格帯もやや抑えめ。

これらのブランドは、ジルサンダーやマルジェラが持つ「シンプルながらも、どこか普通とは違う」という魅力を、それぞれ異なるアプローチで表現しています。特にTHE ROWやLEMAIREは、ジルサンダーの上質さやミニマルな雰囲気が好きな方なら、きっと響くものがあるはずです。自分のスタイルや予算に合わせて、これらのブランドもチェックしてみることをお勧めします。

小物で見るジル サンダー マルジェラ どっちが良い？

流行りのロゴドンはもうダサい？

結論から言うと、ジルサンダーやマルジェラのロゴやアイコンは、一般的にイメージされる「ロゴドン」とは一線を画すため、ダサいという評価にはなりにくいです。両ブランドのロゴの扱いは非常に巧妙で、これ見よがしな主張を避けているからです。

「記号」としてのマルジェラの4ステッチ

マルジェラの象徴である背面の4本の白いステッチや、カレンダータグは、厳密にはロゴではありません。これらはブランドの「匿名性」という哲学から生まれた「記号」です。ブランド名を声高に叫ぶのではなく、「知る人ぞ知る」という控えめなアピールが、逆に所有者の知性やセンスを際立たせます。この奥ゆかしさこそが、多くのファッション好きを惹きつける理由であり、「ロゴドンがダサい」と感じる層からも支持されています。

「型押し」としてのジルサンダーのロゴ

ジルサンダーも同様に、ロゴの主張は非常にミニマルです。多くの場合、ブランド名はアイテムに小さく型押しされているだけで、遠目からはほとんど認識できません。ブランドロゴをデザインの一部としてではなく、あくまで品質を保証する「刻印」として扱っています。この姿勢は、デザインと素材そのもので勝負するという、ブランドの自信の表れでもあります。

注意：ロゴの扱いにはTPOを

いくら控えめなロゴであっても、高級ブランドのアイテムであることに変わりはありません。TPOをわきまえず、全身をブランドアイテムで固めてしまうと、ロゴの洗練さが失われ、品のない印象を与えてしまう可能性はあります。大切なのは、アイテムが持つ背景を理解し、自分のスタイルに自然に取り入れることです。

このように、両ブランドはロゴを巧みに扱うことで、流行り廃りの激しい「ロゴドン」の波とは一線を画しています。そのため、一時的な流行でダサいと感じられることはなく、長く愛用できるのです。

意外とジルサンダーにバッグのイメージはない？

「ジルサンダーは服のイメージは強いけれど、バッグの代表作が思い浮かばない」と感じる方は、実は少なくありません。実際、インプットしたデータベース情報にも「ジルサンダーもそもそもあまり財布やバッグというイメージはないブランド」という意見が見られました。これは、ある意味で正しい認識です。

ジルサンダーは長年、ウェア、特にそのカッティングの美しいジャケットやコートで評価を確立してきたブランドです。そのため、他のラグジュアリーブランドのように、数十年前から受け継がれる「アイコンバッグ」のようなものは存在しませんでした。

しかし、その状況は現在のデザイナー、ルーシー＆ルーク・メイヤー夫妻が就任してから大きく変わります。

新時代のアイコン「タングル」や「カンノーロ」の登場

メイヤー夫妻は、ブランドのミニマルな美学を継承しつつ、現代のニーズに合った魅力的なレザーグッズを次々と発表しました。その代表格が、手作業で編まれたストラップが特徴的な「TANGLE（タングル）」バッグです。

シンプルながらも一度見たら忘れられないデザインは瞬く間に人気となり、今やジルサンダーの新しい顔となっています。さらに、筒状のフォルムが愛らしい「CANNOLO（カンノーロ）」など、新たな人気バッグも登場しています。

前述の通り、これはマルジェラがジョン・ガリアーノ就任後に「5AC」や「グラムスラム」でバッグの人気を確立した流れとよく似ています。つまり、両ブランドともに、ここ数年で服だけでなく「バッグも強いブランド」へと進化を遂げたのです。「ジルサンダーにバッグのイメージはない」というのは、少し前のイメージであり、現在は魅力的な選択肢が豊富に揃っていると理解するのが正確です。

アイコン的なマルジェラ 財布の魅力

メゾン マルジェラの財布は、ブランドのアイコンとして絶大な人気を誇ります。その魅力は、単なる使いやすさや品質だけでなく、所有する喜びを満たしてくれる独創的なデザインにあります。

最大の魅力は、やはりブランドを象徴する「4本の白いステッチ」です。財布の背面に施されたこのシンプルな刺繍は、ロゴを一切見せずとも、一目でマルジェラだとわかる強力なアイコンとなっています。この「匿名性の哲学」が、多くのファンの心を掴んで離しません。

デザイン面では、定番の二つ折り財布や三つ折り財布が特に人気です。外側はシンプルなレザーですが、内側を開くとカレンダータグが現れるというギャップも魅力の一つ。また、コインケースが外側に付いたモデルは、デザインのアクセントになるだけでなく、小銭の出し入れがしやすいという実用的なメリットもあります。

マルジェラ 財布の主な魅力

一方で、デメリットも存在します。前述の通り、非常に人気が高いため他人とかぶる可能性が高いこと、そして高級ブランドならではの価格帯が挙げられます。しかし、それを補って余りあるデザイン性とブランドストーリーが、マルジェラの財布を特別な存在にしています。ファッションにこだわりを持つ人が、最終的に行き着く財布の一つと言えるでしょう。

シンプルを極めたジルサンダー 財布

ジルサンダーの財布は、マルジェラとは対照的に、「引き算の美学」を極めたデザインが最大の魅力です。華美な装飾を一切排し、上質な素材と美しいフォルムだけでその価値を物語ります。

ジルサンダーの財布を象徴するのは、控えめな「型押しロゴ」です。光の角度によってようやく見えるほどの小さなロゴは、ブランドのミニマルな姿勢を体現しています。デザインは非常にシンプルで、定番の二つ折りや三つ折り、L字ジップウォレットなどが展開されています。しかし、そのシンプルさの中にこそ、細部へのこだわりが凝縮されています。

例えば、寸分の狂いもなく施されたステッチや、手に吸い付くような滑らかなレザーの質感は、実際に手に取ってみて初めてその品質の高さを実感できます。また、バッグでも人気の「タングル」シリーズのように、ストラップにノット（結び目）のデザインを取り入れたモデルもあり、シンプルながらもジルサンダーらしい遊び心を感じさせます。

ジルサンダー 財布の主な魅力

シンプルさゆえの注意点

一部のユーザーからは「デザインがシンプルすぎて物足りない」という声も聞かれます。個性的でデザイン性の高い財布を求める方には、少し魅力が伝わりにくいかもしれません。ジルサンダーの財布は、デザインで語るのではなく、持ち主自身の品格やスタイルを静かに引き立てるアイテムと言えるでしょう。

上質なものを長く大切に使いたい、という価値観を持つ人にとって、ジルサンダーの財布はこれ以上ないほど最適な選択肢となります。

結論：ジル サンダー マルジェラ どっちを選ぶべきか

ここまで様々な角度から両ブランドを比較してきましたが、最終的にどちらを選ぶべきか、その答えはあなたのファッションに対する価値観によって決まります。この記事の要点をまとめましたので、ご自身の考えと照らし合わせ、最適なブランドを見つけるための参考にしてください。

• ブランドの格付けはどちらも世界的な高級ブランドで甲乙つけがたい
• マルジェラはH&M、ジルサンダーはユニクロとコラボ歴がある
• 年齢層はジルサンダーが30代以上、マルジェラは20代からの支持も厚い
• ジルサンダー好きは上質なミニマリズムを好むタイプ
• マルジェラ好きは独創性やブランドの哲学に共感するタイプ
• 最近の人気では、話題性でマルジェラ、知名度拡大でジルサンダーが強い
• 似てるブランドとしてTHE ROW、LEMAIRE、Acne Studiosなどが挙げられる
• 両ブランドのロゴは「ロゴドン」とは異なり、控えめで洗練されている
• マルジェラの4ステッチは匿名性を、ジルサンダーの型押しは品質を象徴する
• ジルサンダーはメイヤー夫妻就任後、タングルなど人気バッグが誕生した
• マルジェラの財布は4ステッチが象徴的で、デザイン性が高い
• ジルサンダーの財布は素材の良さが際立つ、究極のシンプルさが魅力
• 個性を表現したい、物語性を重視するならメゾン マルジェラ
• 品質を重視し、タイムレスな上品さを求めるならジルサンダー
• 最終的には、直感的にどちらの美学に心が惹かれるかで選ぶのが最良

この記事は、メゾン マルジェラ公式サイト、ジル サンダー公式サイト、SSENSEの発信情報を参考にし、当サイトのコンテンツ制作ポリシーに則り作成しています。